完璧ミスった
「完璧ミスった」
「なに、どした」
「え?」
「え?いや完璧ミスったって、何を」
「えっ? いま口んだしてた?」
「えっ、出してたじゃん え、無自覚なの?なに?怖いんだけど」
「かんっぜんに無意識だったわ…え〜これやばいよね?なんていうの?夢遊病みたいなカテゴリだよねこれ」
「夢遊病…あー、まあ言いたいことはわからんでもないけどもさ」
「今後あたし飲み会とか誘われたらどうしよう、飲んだらさらにやばいよね?」
「あ〜〜 、絶対上司の文句目の前でいうでしょ。ウッザ〜〜このハゲ とか言っちゃうでしょ。」
「や〜〜だぁ〜〜!社会的な死じゃんーー!!え〜〜どうしようほんと、社会的な死の方が肉体の死より何倍も恐ろしくない?」
「ええ?え〜〜…死…死ぬとか考えてもわかんないよ」
「うそでしょ?死んだらどこに行くんだろう〜とかさ」
「いやそういうことじゃなくてさ、ほら、死んだことないじゃん?こちとら」
「は、そりゃそうですけど」
「だから、死ぬってリアルな感覚がわかんないわけじゃん、怖がりようがないよ」
「はぁん?なんて女なの…心臓に毛が、あれ、あのデッキブラシのやつの毛が生えてるでしょ、」
「いや緑のかったいやつ生えてないから」
「うそつくなよ!!この野郎!!」
「いたいいたい耳たぶマジやめてってば、やめてって!!いった…ほんと…いい加減にして…バカ力把握して…」
「あっ ごめ… ごめんて 」
「いや大丈夫だけどさ」
「ごめん」
「それで?」
「………………以後反省して気を付けます」
「いやそれじゃなくて、ミス」
「は?」
「いやだから、完璧ミスったってのは、なんなの」
「は? あっ はい完璧ミスった発言のことね」
「完璧ミスった発言のことです」
「いや、今腹が気持ち悪いねん」
「…うん」
「原因はわかるんだよね、TKGだよTKG」
「TKG」
「朝食べた卵かけご飯の卵がいつかった卵か覚えてなかったのに、使っちまったんだよね」
「ああTKGって、そゆことね いや、めちゃめちゃ愚かじゃん」
「そう、こればっかりは愚か、愚かMAXなの」
「うん」
「だから、 完璧ミスった。卵使って完璧ミスった。てこと」
「ふーーん……」
「トイレ行きたいーーでもレポートがあと5行やから我慢してフィニッシュトイレにしたい気持ちもある〜〜」
「うん… はやくいけよ、漏らされたら困るのわたしだから」
「困るのはおまえか……じゃあいいか」
「いうとおもったわ、本当に」
「うひひひひ」
「早く行ってトイレに」
「わーーかった、わかった。」
「あーーもう、完璧ミスったわあんたを友達にもって」
「おっ。オチついたな。オチついたのでトイレ行きます」
「はずいからやめて」