青い欠陥
「冷たい」
「へ?」
「冷たい」
「…水?」
「態度!」
「あー…氷。」
「連想ゲームじゃない!バカ!」
「…なに。え、なに?」
「ほら!そういうとこ!!私今、どうしてる!?」
「え、…怒ってる。」
「わかるじゃん!わかるんじゃん!!じゃあなんで?」
「え、だから…なにが言いたいのかわかんねーって、さあ」
「彼女が怒ってるのに、なんで焦らないの?昨日もそう、てかずっとそう!」
「はあ…?」
「はあってなに?こっちだから!」
「いや、こっちだって…」
「私が悲しそうな時なんでなにも言わないの?私が教室で一人でいる時なんでそばに来ないの?」
「はあ?」
「私が読んでた本はなんていうの?私の好きな花は?知ってる?」
「あのさ…」
「ほら、だから冷たいって言ってるの。冷たい。あんたは冷たい。」
「…俺はお前の望み通りになれば良いわけ?お前に詳しくなれば良いわけ?それは違うと思うんだけど。お前、そんなわがままだっけ?」
「…違うでしょ…」
「…なんだよ…はっきり言えよ…」
「わた、私が…悲しい時あんたはなにを考えてる?私が、笑ってる時…あんたはなにを見てる?」
「…」
「どこにいる?なんで私の彼氏に…いや、そうじゃなくて…」
「なに…」
「あんた、私に…私に、興味ある?私がなにを思ってるか、一度でも、想ってみたことある?」
「…」
「わからないんでしょ。”私がなにを思っているか”。私は…なんで…」
「…」
「…あんたは、自分以外のものになに一つ興味がないのね。」
「…そんな」
「ちがう、自分にも興味がないんでしょ。だから私がどんだけあんたのことを、…」
「…」
「ねえ、わかる?私はずっと」
「…」
「さみしいんだ」